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Daymare Townというescape gameのシリーズがあるのですが、これのイラストがなかなか好きなもので、ちょっと書くことにします。(ネタばれします)

シリーズを通して白と黒のアナログ的な線で描かれた寂れた近代の町が舞台。博物館の展示品の気球を起動させて乗れるとか、絵に入り込んで砂浜まで降りて貝殻を拾うとか、本の挿絵の塔に入っていくとか、愉快なgnomeがひそんでいたりとか、ファンタジックな場面もあるのだけど、ふと出てくるマシンはどこか旧式で不気味な用途を連想させる。しかも白と黒で不安定にゆがんでいる絵で一層不安感が増す。

住人は隠れ住んでいるか、家にいても困窮している様子。死臭と倦怠感が支配するくすんだ空気があり、戦時下の東欧のどこかの町とか19世紀末のロンドンの貧民街という感じもする(エレベーターが英式)。大抵の人は靴をはいてなく、寒そうにしているか病的な顔をしている。そうして、凶暴な図書館司書がモンスターか亡霊のように突然現れたりする(読み物を与えれば大人しくなる)。
門番はコートを着てきっちりしてるけど、その上役といったら、話しかけると「うせろ」と言ったそばから高額の許可証を売りつけようとしてくる。

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3では貧民のための病院から話が出発しており、閉じられた入り口の前に若い女が寒そうに顔をセーターみたいのに埋もれさせながら座り込んでいる。話しかけると、肝臓がよくない、と。痛み止めをあげると、「少しよくなった」と言ってくれる。いよいよ生々しい。そういえば2では痛み止めは1つしかなく、病人は2人いた。コインを稼ぐために金持ちに薬を渡してもいいけど、通りで座り込んだままの人を見ると悪いことをした気分になる。

もっとすごいと思うのは、暖炉の火も絶えて久しいような家の奥で座り込んでいる老女の場面。
「昔はもうちょっと暖かで・・・」という愚痴を聞いて終わりではない。この人に、手に入れたパンや本を渡すと、
「そんなに、お腹が空いているわけでもないけど、ありがとう」
そういいながら、何と、壁にパッと赤いものが散るのは、どう考えても血。その後また何事もなかったようにそこに座っているが、きっと喀血だろう。受け取ってくれる本とは百科事典。warmが載っている巻だった。

しかし、そういう酷い貧困の場面を見て、不快なはずだけど、本をあげたら喜ばれたという場面ではなぜか、ちょっとしたロマンというか、叙情的なシーンを見たような気分になる。それに、poor manにコインをあげると聖画をくれたりするあたり、キリスト教圏らしい演出が利いていると思う。

また別の家では「子供がいなくなった」と、悲しんでいる未亡人がいる。
3のlost childは見つかるけど、4ではそんなシーンはなかった。
4も砂丘の上でキレイ系な女の人が「息子をさらわれた」と言っている。
ところがこの人、主人公が「何か力になれることはないですか」と言うと、
「あなたどなたですか」
「ええと、その、通りすがりの者ですが」(主人公あまりハキハキと喋らないんだな)
すると、「なぜ通りすがりの人に力になってもらわなきゃいけない? ヒーローになりたいならよそでやってください」
と一蹴! イラストがないから説明できないけど、ちょっと映画の1シーンみたいと思った。

4は明るい砂漠ではなくて、砂漠化したかつての田園か郊外の町という雰囲気だった。しかし、陰影が活きた寒々とした雰囲気は3がベストで、クリア自体は15分程度でいけると思いますが、クリアのために奔走するだけでは勿体無い世界観。BGMは風の音と、ピアノソロ。Creepy-Coolという形容がピッタリです。

*タイトルで検索すると出てきます。海外のゲームなので、playする場合は広告やスパム対策及びウィルス対策ソフトを導入のうえ、自己責任でお楽しみください。*

ちなみに。
Daymare Catという番外編もあり。猫は無関係でCat and the menagerieというシンガーの曲がメインです。レコードを集めて曲を仕上げるパズルになってて、難しくはないけど、この曲「Better」がかなりイイ。You Tubeで聴けます。
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