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なぜに今更、と思いながらも、TSUTAYAで手に取った短編集でございます。
表題作のほかに9編も、相当へんな話ばかり収録。
しかし、これが今読んでも滅法面白いので、ついには通勤電車の中でまで読んでいました。

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9編の中で特に気に入ったのは3つあって、

学会の論敵が突然病没して以来、論争のテーマであった蛾が、目の前を飛び回るようになる『蛾』、
密林の奥に知能と高度な攻撃力を持つアリが進出し、人の集落を滅ぼしていく『アリの帝国』
どちらも派手なバトルとかはないんだけど、じりじりとこちらがわを侵食する気配が非常に怖いです。
『故エルヴィシャム氏の物語』は、よく知らない老人の遺産を相続する契約を結んだ青年が、
気がつくとその老人と入れ替わってしまった、という話。

それから『モロー博士の島』は、B級映画のイメージだったけど、本で読むとなんとも重厚な印象があります。
特に、最後にその島から脱出できたあとの主人公の語りが言いえて妙なところがあって、考えさせられる。動物人間のおぞましい場所から文明社会へ逃れてきて、脱出できたぞバンザイ、とはならないあたりがいいと思います。

『モロー博士の島 他9編』 H.G.ウェルズ 岩波文庫
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