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主演:内野聖陽 

主演ということは、やはりこの人がアキレウスなのです。
悪くはなかったんだけど、足が短すぎてシルエットが汚い。なぜそんなことが気になるかといえば、全体的に赤黒青とシンプルなモノトーンでセットが少ないしゃれた舞台だからです。
ヘクトルとの一騎打ちはなかなか長くて、見せ場のひとつだったと思う。でも、剣の使い方が、どうもギリシア世界の戦い方に見えなかった…?気のせい?舞台だからホントに槍を投げるわけにもいかないだろうけど。あ、それと、アガメムノンの憎たらしさは素晴らしかった。(このエロオヤジが帰国後どうなるかは知っているから、偉そうな憎まれ口も今のうち、という感じで冷ややかに見れる)

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共演の平幹二朗がプリアモスでした。最後のシーンで息子ヘクトルの遺体を引き取りにアキレウスを訪ねる。へんに哀れっぽくもなく、懇願するセリフも明瞭で、よいシーンでしたよ。
ただし、このアキレウス本人がトロイの老王にヘクトルの遺体を返す(それも礼をつくして返し、休戦の約束までする)場面というのは、世界的にも人気はあるはずだけど、実は特に日本人好みなのではないかと思います。つまりこれ、季節ものでいうと『忠臣蔵』の、大石が偽の通行手形を使って江戸に向かうとき、通行手形の本人と宿で出くわして、全く紳士的に見逃してもらう、というシーンに似てると、個人的に思うわけです。そして、こういう、勇気や意思の強さを目の当たりにして、本来は敵である相手を友人のように帰すサイドがまたカッコよく、緊迫の度が強いシーンでそれをやられるほど、見ていて気持ちが良くなる。まるで温泉に入ったように。

トロイがあとかたもなくやられるシーンはこの舞台にもありませんが、カサンドラが全部説明してしまうし、このカサンドラが不老不死っぽくて、顔もちょっと恐かった。
神々だとか運命だとかの言及がたくさんあるけれど、それが古臭く聞こえない気がしました。現在の社会状況がどこかでリンクしてることを訴える演出だからでしょうか。客席がうつったとき、空席が目立って見えました。真面目な古典ものは、東京でさえこんなあしらい? こういう舞台を絶滅させたくなければ、観客側ももうちょっと頑張ったほうがいいかも知れませんね。
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