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見てきました。予想以上にガラガラ。
2時間を越えるので、ホットココアを自販機で作って、しまった、この時代のエジプトにココアは絶対ない、と思ってしまった。(でもそれなら何かねえ?ミントティーかマスカットのジュースか?)

普通に娯楽大作のスペクタクルを期待すると、全くはずされます。ヒュパティア役のレイチェル・ワイズは、発音が明瞭なのがよかった。あとは、CGを使わずロケ地マルタの皆さんでエキストラをやったという群衆シーンが迫力でした。
それにしても、特別なヒーローはいないし悪人も実はいないのに、たびたび起こる殺戮と破壊行為。狂ったように暴徒化しているので、あるものが何でも武器になっている。特に出てきたのは石です。石ころを力いっぱい投げつけるだけで、人は死んでしまう。
似たようなことが現在も中東で起きているのであれば、一刻も早く終息して欲しいものです。

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4世紀のエジプト、アレクサンドリア。
ローマ帝国の支配下にあって、エジプトの多神教とキリスト教が混在していましたが、あるときから力をためはじめたキリスト教徒が、土着の信仰を侮辱しはじめます。

ヒロインであるヒュパティアは、アレクサンドリア図書館の館長の娘で哲学者で数学者で天文学者、ついでに絶世の美女でもある。彼女は講堂のようなところで天体について教えているけど、宇宙の話というのは哲学にかかわるから、人はどう行動すべきかというような話までやっている。
キリスト教徒に報復するべしという勢いを、ヒュパティアにはとめることができず、結果、キリスト教徒が報復へさらに報復し、一同は図書館にたてこもるしかありません。
暴徒が建物になだれ込む映像は、高いアングルから撮られていて、人というよりもピロリ菌襲来のようです。彼らは貴重な書物を蹴散らし、焼いてしまいます。その後彼らは、ユダヤ教徒も襲撃し、住民に改宗を強制し、最後はこの地を牛耳ってしまうわけですが。

キリスト教徒がそこまでこの都市で増えた背景には、下層階級の追い詰められた困窮ぶりがあったようにも見えました。この都市はたしかに繁栄して、知的財産も相当なものだけど、奴隷も、食べるに困る貧民も数多い。けれどもヒュパティアにとって、そういう下層民の苦痛や争いごとは完全に視界の外にあり、他人事だった。
彼女は「信念を曲げない」と言っていただけで、拉致して残酷に殺そうというキリスト教徒のほうが悪者には決まっているのです。が、彼女のほうも、空ばかり見上げて天体の謎を解明したいなら、政治的影響力は放棄するべきだったのです。

もうひとつ、暴徒が彼女を抹殺したかった理由のひとつは、彼女が美女だったこと?とも思いました。もしも彼女がブサイクで、全然貴族的でなかったら、また、彼女が男だったら、男たちはあんなふうに喜んで影響されたり、崇拝したりしなかったのではないかと。しかもその美人さんが、地球は動く、太陽を囲んで楕円に動く、なんて言うのですから、異教徒の女神もいいところ。はっきり言ってしまえば、客観的に見ても、頭脳明晰だけどかなりの変人だとも思う。

そして、彼女を心底好きらしい男性二人のうち、最後の最後に頼りになるのは、エリートのオレステスよりも、奴隷だったダオスのほう。ヒュパティアの死は、この都市の荒廃と混乱の、まだまだ途中の出来事ですが、このエンディングでやっとほっとできた気がしました。
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